1年ほど前からDS216jで利用しているHDDの内1本で不良セクターが発生していて経過観測中だったのですが、ここの所、かなり増加してきたのでついに交換しました。
RAID構成は必要無いと考えてあえてBasic(バックアップなし)で構成していたのですが、データの吸出しがかなり手間でしたので備忘録として残しておきます。
今回Western DigitalのWD Red 3TBを購入しました。
初期不良のチェックのためData Lifeguard DiagnosticでERASEや拡張テストを実施しましたが、それぞれ7時間近くかかっています(Windows 10, USB 3.0接続)。
念入りにチェックしたとはいえ、容量に比例してチェック時間が膨大になるのも困り物ですね。しょうがないことではありますが……
途中でPCがスリープ状態になってやり直すことになりました……事前に電源設定の確認は大事ですね。
さて、Basicボリュームで作成してあったので、Linuxマシンから(DS216jの内蔵HDDはext4フォーマットなので)なら簡単に読めると思っていました。
実際にはソフトウェアRAIDでHDDがフォーマットされていたので、そのままではマウントできませんでした。
Synologyのナレッジベースの記事を参考に試みたのですが、バージョンが違うのかコマンドが通らず……
環境
- USB 3.0接続が可能なWindows 10 PC
- 4GB以上の容量があるUSBフラッシュメモリー
- USB 3.0接続の外付HDD用SATAケース
- Ubuntu 18.04.1 LTS
1. Ubuntuの起動メモリーを作る
Live CDでも構わないし、とりあえずUbuntuが起動する環境を作ります。
手順はCreate a bootable USB stick on Windows | Ubuntu tutorialsを見てください。
2. Ubuntuで起動する
お使いのPCのマニュアルを参照して、作成したUbuntuの起動環境から起動します。
3. 必要なパッケージのインストール
$ sudo apt install mdadm
4. NASから取り出したHDDをマウントする
fdisk
でパーティションを確認してマウントします。
一番容量が大きいパーティションを確認したらmdadm
を実行します。
$ sudo fdisk -l /dev/sdc # 環境に合わせて読み替える(sdbなど) $ sudo mdadm -A /dev/md/md /dev/sdc2
後は、Nautilusを起動して「他の場所」を選択するとHDDが見えたのでマウントします。
5. 転送する
他の外付けHDDにコピーするなり、NASのフォルダをSMBでマウントするなりしてデータをコピーします。
権限が無くてHDDのディレクトリが参照できないなら、chown
コマンドでパーミッションを変更します。
$ sudo chown ubuntu -R /mnt/ubuntu/~
データ量にもよりますが転送にはかなり時間がかかるので、PCは電源に接続して、かつ電源設定を確認してスリープにならないようにしておきます。
ちなみにDS216j上のFile Stationで複数のファイルやフォルダを選択して一括で所有者変更を行うことが出来ないようです。
1ディレクトリ単位では配下のファイルやディレクトリに適用できるので一旦ダミーのディレクトリに移動して、変更する必要があったりします。
もしくは、SSHで接続してchown
ですね。File Station上でできるようになるとよいのですがね。
おまけ
普段から定期的にNASに外付けHDDを接続してバックアップも取っていましたが、容量の関係でバックアップを取っていない(再取得可能なデータなど)ものもあり、どうにかコピー出来ないかと試行錯誤に時間がかかってしまいました。
NASと同程度の容量の外付けHDDが欲しくなりました。
NAS自体が壊れたときのサルベージができるようになったと思うことにします。
RAIDを組まなかったのに内部的にはRAIDだったなんて……